久々にやってしまった。まずいかな、と思ってはいたけど案の定。
熱。スコーン!と39度を超えてしまっていました。それでも、楽しみにレッスンにきてくれる人たちのことを思うと「休みます」の電話をすることもできず、昨日はニセコまで往復4時間&ベビ付きでピラティス。今日動けなくなるのは、覚悟の上でした。
朝、ひきっぱなしにしておいてくれてたお布団の中でご飯。昨晩こうちゃんが作ってくれた雑炊をすすって床につくと「今日午後打ち合わせがICCであるんだけど、コマさん連れてこうかと思って」と彼。
え?こうちゃんがコマと2人で仕事に出かけるの?
いや、別におかしいことじゃないか。と一瞬自分の中で2人の自分が会話。
そっか、ありがとう。
ちょっと、どぎまぎしながら返事をして更に深く布団をかぶりこんだ。
自分の中にはなかった発想だった。
女の人が子どもを連れながら仕事をしていることはOKだけど、男の人が子連れで仕事はNG?よくよく考えてみれば何にも変なことはないのに、というか自分はそんな男性が増える社会を望んでいるはずなのに彼の発言に驚いている自分。女はいいけど男は駄目。それこそ差別ではないか。無意識のボーダーライン。私より彼の方が断然頭が柔らかいのかもしれない。
いってらっしゃーい。布おむつとお尻ふきを持って、ピンクのワンピースを着せていつもよりおめかし、白湯まで用意して元気に出かけていった2人。産後、私が一人で外に出かけることはあっても家に一人になるのは今日がはじめて。少しでも寝ようと目を瞑るも、時計の音がチクタクチクタク。窓から見える札幌の空は青い。昨日過ぎていった台風の後の晴れ間、ガラス窓を通しても空気が澄んでいるのがわかる。風にゆっくり流されていく雲たちが、すこしはやい秋の訪れを告げている。家の中がなんとも静かである。
一人の時間を満喫しようと、以前にたべるとくらしの研究所の安斎明子さんから「読んでみて」と借りていた中川ちえさんの「まよいながらゆれながら」に手がのびた。福島のこと、あの日のことが描いてあると思うとなかなか読む気がおこらず、今まで家の本棚の片隅にそっと息をひそめていてくれた一冊だった。ひとりきりの家で、お布団の中で読むそれは、ぐんぐん心の中に入ってきて、あの頃のこと、今までのこと、大切な人たちの顔…ここ最近は胸の奥に大切にしまっておいたものたちの手を優しく引いて、いつの間にかわたしの眼下に連れてきてくれていた。決して辛いものとしてではない、やっぱり幾らか淋しくはあるものの、どこか嬉しくて儚い空気を纏って心をぼぐしていく。中川ちえさんの文章の力なのか、伸也さんや明子さん、お父さんお母さん、知っている人たちのことが綴られているからなのか。それとも、わたし自身、心の整理整頓が上手にできるようになったからなのか。
コマさんを産んで半年がすぎた。苦手な夏もそろそろ終わりムード。わたしも綴っていこうと思い直させてもらえた一冊だった。わたしらしく、無理なくね。そう、無理するとまた熱が出てしまうから。そんなわけで、少しずつ、ブログも再開していきたいと思います。
西向きのベランダから見える空がほんのり赤く染まりかけたころ、キーっと音がして、2人が帰ってきた。腕に抱かれたコマの目頭の色は空の色と一緒。「泣いたの?」というと「ちょっとね」と。おいでー。抱きかかえたコマの感触が知らない赤ちゃんを抱いてるようで新鮮だった。ぎゅぅっと抱きしめておかえりーというなり、胸元をまさぐる。はいはい、今あげるね、とオッパイをあげるとキャッキャ!と声をあげて飲む。その姿が愛おしくてたまらない。たった数時間離れていただけなのに、母はコマシックになっていた。こうして必要とされる存在であれることは幸せなこと。
疲れた様子のこうちゃんにも拍手。「コマが一緒だと2倍疲れるよね」というと「うん、ホントに」と。でも「子連れで働ける場所がもっと増えたら良いのにね。札幌イクメン会でも作るか!」だそうです。子連れオオカミで仕事してきました!とfacebookにもシェアしてご機嫌のご様子。現代の子連れオオカミ、妻は生きていますのであしからず。これからもよろしくお願いします。
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