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03 / 22 Sat 17:50 #宍戸慈 ×


春分の日、床上げをすませました
あと1週間は産褥期だけれど、授乳にも慣れたし体調もだいぶ戻ってきました
ずっと書きたかった自宅出産のことそろそろ綴っていきたいと思います


-幸せなお産#1【陣痛編】-

「もしもーしいつですか?こちらは用意万端ですよ
 このままお腹の中に吸収されちゃうんじゃない?」
なんて話をしていた2月も中旬のことでした。




お正月をすぎた頃
「もうだいぶ下がってきてるね。これは予定日までもたないかもしれないわね」
という産婆さんの言葉に夫婦共々、予定日の1ヶ月も前から
「今日かも、明日かも」とドキドキしていたため
まさかの予定日1週間遅れ「このまま出てこないかもね〜」と
冗談まじりにのんびりとした日々を過ごしていたのでした。




2月14日今宵は満月

もうきっと産まれてるだろう。とフライング気味に飛行機を予約してしまっていた
旦那さんのお母さんたちが南相馬から札幌へきてくれていました

「産まれてなくてすみません…」せっかくきてもらったのに…
申し訳ない気持ちを抱きつつ、こればかりはどうすることもできず、
街のご飯屋さんで一緒に夕食をとっていました

「2人分なんだからいっぱい食べてね」
「確かに、今夜かもしれないですものね、精力つけておきます(笑)」
とたくさんご馳走になり帰りがけ

「少し歩いて帰ろうか」と夫婦2人仲良く手をつないぎ歩きながら
「いつ出てくるんだろうね〜」
「こうして2人なのもあとわずかだね」と見上げた北国の澄み切った夜空に
まんまるの優しいお月様がぽぉって浮かんでいました




家についたのは20時をまわった頃だったでしょうか
少しお酒の回った彼が、隣で気持ちよさそうにすぅすぅと寝息を立て始めました
外は深々と如月の雪が降はじめました

そんな22時頃のことでした
いたたたたたた
ん?

…15分後、いたたたたたた
今まで、骨盤や恥骨周りに痛みを感じることはあったものの
これまでとは完全に種類の違う痛みです
お腹を壊した時の痛みの少しひどくなったような
お腹の中がキューーーーッと小さくなる感覚
もしや?と思いつつも、気のせいだったら…とややしばらく耐えていました

しかしまた10分後、うーーーーんいたたた痛い!
時間を計ってみると不規則ではあるものの15〜10分間隔
でもまだひとりで我慢できるほどの痛み、これが陣痛?
疑心暗鬼のわたし

それが0時回った頃、お手洗いに立つと突然の出血!?
いよいよおしるしの到来です
戻って「おしるしきた」という私の呟きにガバッ!と飛び起きた彼
産婆さんが健診でおしるしや陣痛のメカニズムを
こと細かに教えてくれていたこともあってか
彼もそれが何を意味するのか当然、察知してくれていたようでした
(※おしるしは、赤ちゃんが降りてきて子宮が収縮すると
今までくっついていた卵膜と子宮の壁がはがれてそこから出血するのだそうです)

とはいえ陣痛じゃなかったら?と疑い深い私、その時助産師さんに送ったメールがこれでした




まだ余裕があったのですね
今考えればメールに気付いて起きてくださったからいいものの
そこは電話でしょ!と我ながらのマイペースぶり 
「間隔は?」との問いに「7分ぐらいです」とお返事をしました

普通に病院で産む場合、この辺りからバタバタし出すのでは?と思うのですが
その点うちは自宅は待っているだけ
外はおそらく結構な量の雪が降っていたと思うのですが、移動の心配もいらず
ただ、家で痛さに耐えていればいいというのは、とても楽でした
あの痛みの中、夜道を病院までいくなんて荒技、私には到底無理だったように思うのだけれど
日本の妊婦さんの99%以上がそれをやってのけるっていうんだからすごいですよね
(自宅出産率は全体の1%なんだそうです)

「今から向かいます」とのメールを頂いたのが0:30
「お風呂入っていいですか?」と、これまた悠長なメールを返している私です
痛かったはずなのに「しばらく入れなくなる!」とその点は冷静だったよう
やっぱりマイペースです

「お産が進んでしまうので私が着いてからにしてください」と言われ
お布団を敷いてもらい、お風呂を入れて準備
このあたりから、そろそろ痛みが尋常じゃなくなってきました
間隔は3〜4分
痛くない時はまったく平気なのに
痛い時は「うぅぅぅぅぅぅ」と悶絶して動けなくなっていました




「そろそろ着きますので、お風呂いいですよ〜」と1:15
悶絶しながら服を脱いで、髪の毛を洗い、湯船にふぅ
お湯につかると陣痛が和らぐようです
ピーンポーン!産婆さんがいらっしゃったみたい
上がろうと思ったらまた、うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
ふーん 涙 動けないよぉぉぉぉ

なんとかお風呂からあがると
「あら?まだ入っていてよかったのに、痛み逃しのための入浴でしょ?
 あがったら痛いわよ〜」と産婆さん
え?頑張ってあがったのに?
「じゃぁ、また入りますって痛い、痛い!いたたたたたたたたたた」
またお風呂に入れるわけもなく、そのままお布団に倒れ込み
この辺りから時間の感覚と記憶があまりありません

はじめてのお産は、短くても陣痛が始まってから12時間はかかりますから
病院と違って、子宮口が何センチというような内診は一切しませんから
よっぽどのことがない限り2日だろうが3日かかろうが私の判断でお産をしますね
朦朧とする痛みの中、いつかの産婆さんの言葉が言っていたことが頭をめぐっています
「早くても朝の10時か、もうこの痛みからは産むまで逃れられないんだ」
文字通り、腹を据えて覚悟をきめました

お部屋の真ん中に敷いたいつもの布団に、凭れ込むように横になり
服もいつものものを着たまま
横向き、うつ伏せ、どんな姿勢をしちゃ駄目なんてことも言われません
痛みに耐えやすい体勢を探して、痛みがくると
産婆さんが服の上から腰と肛門あたりをぎゅーっと押してくれます
痛みは波が押し寄せてくるようにやって来て
また波が引いていくようにひいていきます
本当にまるで潮の満ち引きのよう

波は時間がたつにつれてどんどんと高くなっていきます
満ち引きの間のスパンも段々と短くなってきています
もの凄い痛みの中
「もうもうパニックよ。でも大丈夫絶対産まれるから」
「ちか、痛い、痛いょ。けど、必ず終わりは来るから」
「元気なお子さんを!楽しみにしています」
「ちかちゃん頑張って!安産祈ってるよ〜」
妊娠期にみんなからかけてもらった言葉の数々が
頭の中でずっとずっと谺していました

そんな中、彼は私の両手をずっと握っていてくれました
お布団だったため、捕まるところがなかった私、この両手が唯一の拠り所でした
彼が産婆さんに頼まれごとをして傍にいないときが、本当にキツかった
ほんの数分なんですけどね
捕まるところがどうこう、というよりも、精神的なものが大きかったのだと今は思います
「いたーーーーーい!」といくら叫んでも淡々と腰をさする産婆さん
どれだけ悶絶しようとも、爪を立てられようとも
下手に「ガンバレ」なんて声かけをすることもなくただそこに居てくれた彼
今思うと産婆さんも、彼も、余計なことを言わないでいてくれたことと
自宅で、私の意識を削ぐものが何も無かったことで
私はお産に集中できたのかもしれません

朦朧としていく意識の中で、痛みに耐える自分の手が
力を入れ過ぎて震えている光景を覚えています
きっと彼は相当痛かったこと思います
文句ひとつ言わず、ただただ手を握っていてくれた彼に感謝
まぁ、とはいえ陣痛の方が何百倍も痛いんですけどね(笑

そんなわけで、この陣痛朝方まで続くのでした
長くなってしまうので、お産本丸のお話は次回to be continuedお楽しみに


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